きみが教えてくれた夏
「悪いなぁ。乱暴にしちまって。未来、目を瞑ってろ。いいか、俺がいいって言うまで絶対開けちゃダメだ」


手で目を塞がれてるため顔を見ることは出来ないけど海音の声が響く。


なんなんだろう…。
というか、急ブレーキはかけなくてもよかったんじゃないだろうか。
時に海音はせっかちだと思った。



「分かったよ、でもなにがあったの?」



景色が見えない。
真っ暗な闇が支配する。


自転車はさっきよりスピードを落としながら進み出す。


本当に海音の行動は分からない。
振り回されてばっかりだ。


だけど、それが楽しくて仕方ない。



「なにって……あ、もう目、開けていいぞ!」



海音が声を弾ませた。
私はその合図と同時に目を開ける。



そしてまた、きみに驚かされてしまった。



なんできみはいつも。
私の期待を裏切ってくれるのかな。



目の前には……。
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