きみが教えてくれた夏
「てことで今はじいちゃんと二人暮らしだ。あ、父ちゃんと姉ちゃんは未来と同じで東京にいるんだぁ」



海音が自慢気に話す。
ここでは東京で働いていることはすごいことらしい。



「へぇ〜」



私がそう言ったら海音はおにぎりの最後の一口を口に放り込んだ。



「うまかった。ごちそうさん」



ぺろりと口の周りを舐めると手を合わせてそう言った。


私もそれに続けて食べ終わる。
海音は私が食べ終わるまでちゃんと待っててくれた。



「さあ、昼飯も食ったしあれで遊ばねえか?」



海音はある箇所を指差した。
その先には丘があった。


ひまわり畑の少し先。
緑色の草っぱら。 
丘のてっぺんにはまたひまわりが咲いているのが見える。


海音はそこを指差した。
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