きみが教えてくれた夏
ザザァッ…!



最後の最後…!



私は思わず目を瞑ってしまって。
止まってからようやく目を開けた。



「未来。おめでとさん!」



海音が私に手を差し伸べてくれた。
これは、まさか。



「私の勝ち…?」



訊ねながら手を伸ばす。
海音は頷きながら私の手を取って立たせてくれた。


そしてまた私の頭に手を乗せて。



「あぁ。未来の勝ちだなぁ」



「本当に!?本当に私の勝ちなの!?…やったぁぁぁぁ!!」



心の声だった。
心の声が嬉しさのあまり言葉となった。
海音に勝てたのは悔しさの倍、嬉しい。



「ぷははっ、未来そんな嬉しいかぁ」



海音が笑いながら言ってくるからなんだか少し恥ずかしくなった。
顔を逸らすも海音は笑い続ける。


海音の笑顔は好きだけどこんな風に小さな子供に笑いかけるような笑顔はなんだか恥ずかしくなる。
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