嘘恋
引っ越しの日、みんながお見送りにきてくれてお別れをした。
東京までは遠くて時間が掛かるけど、寝れなかった。
ドキドキより不安の方が多かった。
元々、自分自身にも自分の容姿にも自信なんてなかったから、楽しみなんてなかった。
きっと周りの子たちなら憧れの東京だから、ワクワクするんだろうな。なんて考えてた。
夕方になってきてやっと東京についた。
もちろん新しい家は大豪邸。
なんか、家なのに疲れそう。
リラックスできなさそう。
お庭、何坪なんだろぅ。。。
今まで考えたこともないことを考えさせられて頭がイタイ。
もう一つ問題が残ってる。
それは学校。
あっちでは転校するって話だったけど、正直まだ学校も決まっていない。
どんな学校があるかもわからない。
将来に繋がるような学校にしようかな。
すると、お父さんがきた。
「ごめんね。響ちゃん。疲れたよね?
こんなに急に環境が一変して慣れない と思うけど、少しずつでいいから慣れ てってくれたらうれしいな。」
「おじさんも頑張るからね。
僕のことはお父さんって呼べなくても 全然いいからね?無理しないで?」
今更ながらすごくいい人なんだなと身を持って実感した。
警戒心もわすれず、少しずつ打ち解けていこうとおもう。
まず、おじさんじゃなくてお父さんって呼ぶように心がけよ。
「お、オトウサン、、」
「あ、呼んでくれるんだ。すごく嬉しい。 どうしたの」
「高校のことなんだけど、、」
「あー、それね。それならここから通え る高校のパンフレットをいくつか取り寄 せてあるんだよ。
その中からすきなの選んで。
ほんとにどこでもいいよ。
通わせてあげるからね。」
「わかった。ありがとう。」
お父さんからパンフレットを受け取って、お庭に出て読むことにした。
都会ながら、うちの庭はすごく綺麗で田舎の様な空気を感じることができる。
すごくおちつく。
「MCS女学園」
「東城大学付属東城高校」
「松下高校」
あ、、、、。
「櫻嵐高校、、、。」
名前を見ただけたったけど、ものすごく何か強いもの感じた気がした。
「お父さん、私、櫻嵐高校がいい、、。」
「よし。わかった。待ってなさい。」
ほんとにこんなのでいいの?
決めるのに30分もかからなかった。
櫻嵐高校、名前だけで決めた高校だけどどんな高校なんだろう。
分かっていることは、専門科高校で共学というところ。
専門科だから就職には困らないだろうとおもった。