【続】私が最後に盗んだもの。
俺はまだ、眠り続けてる海鈴の手をずっと握り、
起きるのを待っている。
ーコンコンー
ドアのノックされる音がし、
「はい。」
と、返事すると、
「…お前……」
的田がドアを開けた。
「ごめんなさい。
ごめんなさい。」
「…お前、もし海鈴が死んでたらどうすんだよ。」
「…僕も、屋上を飛び出してから我に返った。
だから、すぐに救急車を呼んだ。」
「そうか。
それで、なにしにきた。」
「……僕、警察…行くよ。
満乃さんを打ったんだから。
西王子を殺そうとしたんだから。」
「そうか。」
「ほんとごめんなさい。
それじゃ…」