【続】私が最後に盗んだもの。
「まっ……て…」
?!
「海鈴?!」
「満乃さん?!」
「的田くん…待って…
警察…行かないで。」
「え?」
「今回の事はもう良い。
…許す。
……だから、その代わり、私が怪盗ERICAって事は……黙ってて…
お願い…」
「わ…わかった!
黙っておく!
っていうか、忘れる!
打ったことは忘れないけど、怪盗ERICAだってことはわすれるっ!」
「うん…ありがとう。」
海鈴は弱々しく、
可愛い笑顔を見せた。
「じゃあな。
満乃さん、お大事に。」
そう言って的田が出ていった。
「海鈴…大丈夫か?
…あっ!今、
先生呼ぶからな!」
ナースコールを押そうとする俺の手を海鈴が止める。
「待って、
先生が来たらあまり2人きりでしゃべれなくなるでしょ?」
「でも…」
「大丈夫よ。
だって、怪盗ERICAよ?」
そう、言っていつものイタズラな笑顔を見せる。
「そうだな。」
その顔を見て俺は手を引いた。