続・祈りのいらない世界で
「………イノリ。キヨだけが悪いワケじゃない」
「そうだよ!!キヨが可哀相だよ!!バカイノリ!!」
カゼとケンがイノリを非難していると、カンナが沙織に歩み寄った。
「私がこの子の手当てに付き添うから、イノリは早くキヨを追ってきなさい」
「やっ…私、祈がいい!!」
「沙織さん、イノリの瞳にあんたなんか映ってないわよ」
笑ってはいるが威圧感のあるカンナの笑みに、沙織やケン達は背筋が凍る。
「イノリは早く行きなさいよ。これ以上キヨを泣かせたら殴るわよ」
「悪い、カンナ。任せた」
イノリはそう言うと、キヨが去って行った方に駆けていった。
「………沙織さん、残念だったね。イノリが見てるのはキヨだけだよ」
「イトコを武器にしても適わないんだからね!!」
「そういう事よ、沙織さん。イノリを引っ越させたりしないわ。あんたなんかにあげない」
カンナはそう言うと、キヨの噛んだ後が残る沙織の腕を力一杯つねった。
「これはキヨを傷付けた罰。キヨを傷付ける人には容赦しないんだから」
「カンナ、カッコいいけど恐い…」
3人と沙織が騒いでいると、イノリの母がやってきた。
「どうしたの?何、喧嘩してるのよ……ってあれ、祈と美月ちゃんは?」
イノリの母が周りを見渡していると、沙織は母に抱きついた。
「おば様、この人達酷いのよ!私が祈と仲がいいのが気に入らないみたいなの。…キヨって子なんかもっと最悪。祈に名前でさえ呼んでも貰えない癖に、一人前に自分のものみたいに振る舞って。私、ああいう子嫌いよ」
沙織の言葉を聞いた母は沙織を引き剥がすと、沙織の顔を見入った。
「沙織ちゃん、美月ちゃんに“キヨ”って名付けたのは祈よ。祈が名前で呼ばない女の子は美月ちゃんだけ。これがどういう意味かわかるかしら?」
「女の子として見てないって事でしょ?あんな見た目も性格も可愛くもない子、祈が相手にするワケないわ」
沙織がそう言うと、母は沙織の頭を叩いた。
「そうだよ!!キヨが可哀相だよ!!バカイノリ!!」
カゼとケンがイノリを非難していると、カンナが沙織に歩み寄った。
「私がこの子の手当てに付き添うから、イノリは早くキヨを追ってきなさい」
「やっ…私、祈がいい!!」
「沙織さん、イノリの瞳にあんたなんか映ってないわよ」
笑ってはいるが威圧感のあるカンナの笑みに、沙織やケン達は背筋が凍る。
「イノリは早く行きなさいよ。これ以上キヨを泣かせたら殴るわよ」
「悪い、カンナ。任せた」
イノリはそう言うと、キヨが去って行った方に駆けていった。
「………沙織さん、残念だったね。イノリが見てるのはキヨだけだよ」
「イトコを武器にしても適わないんだからね!!」
「そういう事よ、沙織さん。イノリを引っ越させたりしないわ。あんたなんかにあげない」
カンナはそう言うと、キヨの噛んだ後が残る沙織の腕を力一杯つねった。
「これはキヨを傷付けた罰。キヨを傷付ける人には容赦しないんだから」
「カンナ、カッコいいけど恐い…」
3人と沙織が騒いでいると、イノリの母がやってきた。
「どうしたの?何、喧嘩してるのよ……ってあれ、祈と美月ちゃんは?」
イノリの母が周りを見渡していると、沙織は母に抱きついた。
「おば様、この人達酷いのよ!私が祈と仲がいいのが気に入らないみたいなの。…キヨって子なんかもっと最悪。祈に名前でさえ呼んでも貰えない癖に、一人前に自分のものみたいに振る舞って。私、ああいう子嫌いよ」
沙織の言葉を聞いた母は沙織を引き剥がすと、沙織の顔を見入った。
「沙織ちゃん、美月ちゃんに“キヨ”って名付けたのは祈よ。祈が名前で呼ばない女の子は美月ちゃんだけ。これがどういう意味かわかるかしら?」
「女の子として見てないって事でしょ?あんな見た目も性格も可愛くもない子、祈が相手にするワケないわ」
沙織がそう言うと、母は沙織の頭を叩いた。