続・祈りのいらない世界で
「そんな顔で泣くな。いくら冷酷な俺でも、殴っちまった女をほっといたり出来ねぇだろ。それだけだ」
「だって嫌だったんだもん!!」
「もうしねぇから泣くな。…お前はどんだけ俺が好きなんだよ」
「―――!!!!イノリなんか嫌いだもん。うぬぼれないで」
キヨは真っ赤に頬を染めると、荷台に跨り足をバタバタと振る。
白い息が空に消える。
「…うぬぼらせろよ、キヨ」
イノリはそう言うと、涙の跡が頬に残るキヨを見て額にキスをした。
キヨだけの特別。
イノリだけの魔法。
キヨは鼻まで巻き付けていたマフラーを外すと、優しいイノリの首に結んだ。
冬の冷たい空気が、チョコレートの甘い匂いを運んできたバレンタインデー。
高校時代の淡い思い出。
「だって嫌だったんだもん!!」
「もうしねぇから泣くな。…お前はどんだけ俺が好きなんだよ」
「―――!!!!イノリなんか嫌いだもん。うぬぼれないで」
キヨは真っ赤に頬を染めると、荷台に跨り足をバタバタと振る。
白い息が空に消える。
「…うぬぼらせろよ、キヨ」
イノリはそう言うと、涙の跡が頬に残るキヨを見て額にキスをした。
キヨだけの特別。
イノリだけの魔法。
キヨは鼻まで巻き付けていたマフラーを外すと、優しいイノリの首に結んだ。
冬の冷たい空気が、チョコレートの甘い匂いを運んできたバレンタインデー。
高校時代の淡い思い出。