続・祈りのいらない世界で
11・〜中学生編〜
5人にとって中学時代は、上京した時に迎える悲惨な日々の原因を作る発端の3年間だった。
中学生になったばかりのキヨは、もし尻尾が生えていたらイノリにしか振っていなかったのに、違う男にも振るようになった。
「てっちゃん♪」
「美月。お前はいつも元気だな」
中学1年生のキヨは、真後ろの家に住む大学生、哲也と最近よく一緒にいる。
キヨは大人で優しい彼が大好きだった。
今日も哲也の部屋と隣接している華月の部屋の窓から顔を出して、哲也と話していた。
「てっちゃんは今日大学お休みだったの?」
「あぁ、試験休み中だよ」
「じゃあ今、てっちゃんの家行ってもいい?」
「うん、おいで」
優しく微笑む哲也を見たキヨは、急いで家から飛び出していった。
するとキヨの家に来たイノリとぶつかった。
「いってぇ!!…何、そんなに急いでんだよ?」
「ごめんね、イノリ。何か用だった?」
「今日はカゼの家に集まる約束だろ。迎えに来てやったんだよ」
イノリがキヨに手を突き出すと、キヨは首を振った。
「私、てっちゃんの所行って来るから、みんなに謝っておいて」
キヨはそれだけ言うと、足早に哲也の家の方へと去っていった。
中学生になったばかりのキヨは、もし尻尾が生えていたらイノリにしか振っていなかったのに、違う男にも振るようになった。
「てっちゃん♪」
「美月。お前はいつも元気だな」
中学1年生のキヨは、真後ろの家に住む大学生、哲也と最近よく一緒にいる。
キヨは大人で優しい彼が大好きだった。
今日も哲也の部屋と隣接している華月の部屋の窓から顔を出して、哲也と話していた。
「てっちゃんは今日大学お休みだったの?」
「あぁ、試験休み中だよ」
「じゃあ今、てっちゃんの家行ってもいい?」
「うん、おいで」
優しく微笑む哲也を見たキヨは、急いで家から飛び出していった。
するとキヨの家に来たイノリとぶつかった。
「いってぇ!!…何、そんなに急いでんだよ?」
「ごめんね、イノリ。何か用だった?」
「今日はカゼの家に集まる約束だろ。迎えに来てやったんだよ」
イノリがキヨに手を突き出すと、キヨは首を振った。
「私、てっちゃんの所行って来るから、みんなに謝っておいて」
キヨはそれだけ言うと、足早に哲也の家の方へと去っていった。