続・祈りのいらない世界で
「おい。そんなに頭痛いのか?」
「…動くと痛い…。吐いてる時は…割れそうに痛いっ…」
しゃがみ込んでいるキヨを抱き上げると、イノリはキヨが泣いている事に気付く。
「お前、痩せた?すっげぇ軽くなってるけど…」
「……食べても吐いちゃうから…かな?」
イノリはキヨをリビングに運ぶとソファに座らせる。
「泣くなよ」
「…だって…辛いんだもん!!もうやだ。頭痛いし…眩暈するし…イノリいないし…ぃ〜」
「俺はここにいんだろ」
「そうじゃなくてさぁ〜……」
小さく声を漏らしながら泣くキヨ。
イノリはキヨを膝の上に乗せるとギュッと抱き締めた。
「なんで夫婦なのに、妊娠の苦しみは分け合えないんだろうな。…なんで美月だけなんだよ」
「イノリ?」
「…俺が…変わってやりたい」
男性には味わうことの出来ない苦しみ、辛さ。
それを1人で背負っているキヨの気持ちを理解してあげられない事が、イノリにとって苦痛だった。
「…ふふっ。イノリが妊娠したって産めないでしょ」
「ケツから産める」
「汚いなぁ…」
さりげないイノリの優しさを感じたキヨは、少し元気になった。
「大丈夫。子どもの為だもの。我慢出来るよ」
つわりに負けていたら、出産なんか出来ない。
そう思ったキヨは、もっと強くならないとと決心した。
「我慢はするな。辛い時は辛いって言え。…寂しいなら、いつものように俺に甘えればいい」
イノリはキヨの頭を自分の胸に引き寄せると、優しく髪を撫でた。
イノリの心臓の音が聞こえる。
「…動くと痛い…。吐いてる時は…割れそうに痛いっ…」
しゃがみ込んでいるキヨを抱き上げると、イノリはキヨが泣いている事に気付く。
「お前、痩せた?すっげぇ軽くなってるけど…」
「……食べても吐いちゃうから…かな?」
イノリはキヨをリビングに運ぶとソファに座らせる。
「泣くなよ」
「…だって…辛いんだもん!!もうやだ。頭痛いし…眩暈するし…イノリいないし…ぃ〜」
「俺はここにいんだろ」
「そうじゃなくてさぁ〜……」
小さく声を漏らしながら泣くキヨ。
イノリはキヨを膝の上に乗せるとギュッと抱き締めた。
「なんで夫婦なのに、妊娠の苦しみは分け合えないんだろうな。…なんで美月だけなんだよ」
「イノリ?」
「…俺が…変わってやりたい」
男性には味わうことの出来ない苦しみ、辛さ。
それを1人で背負っているキヨの気持ちを理解してあげられない事が、イノリにとって苦痛だった。
「…ふふっ。イノリが妊娠したって産めないでしょ」
「ケツから産める」
「汚いなぁ…」
さりげないイノリの優しさを感じたキヨは、少し元気になった。
「大丈夫。子どもの為だもの。我慢出来るよ」
つわりに負けていたら、出産なんか出来ない。
そう思ったキヨは、もっと強くならないとと決心した。
「我慢はするな。辛い時は辛いって言え。…寂しいなら、いつものように俺に甘えればいい」
イノリはキヨの頭を自分の胸に引き寄せると、優しく髪を撫でた。
イノリの心臓の音が聞こえる。