続・祈りのいらない世界で
16・小さな命
「あ゙ーっ!!痛いっ!!辛いっ!!気持ち悪ーい!!!!」
ある秋の日の昼下がり。
キヨはソファの上で仰向けになりながら、1人唸っていた。
つわりは治まりつつあるのに、連日続く頭痛がキヨを心身ともに蝕んでいく。
「あー…。もうやだ…。イノリ…早く帰ってきて〜…」
段々と寂しいような、悲しいような泣きたい気持ちになってきたキヨ。
すると、フウがいない事に気がついた。
「あれ?…フウ!?フウ、どこ!?」
カナヅチで打たれているかのように痛む頭を押さえながら、キヨはフウを捜す。
家中、何処にもフウがおらず、キヨが青ざめると庭からキヨを呼ぶ声が聞こえてきた。
「……きよ!!きよ!!」
「え?フウ、どこにいるの!?」
キヨが庭に出る為にリビングの窓を開けると、靴の履いていないフウが庭をトテトテと駆け回っていた。
まだ自分で靴が履けないフウ。
どうやって庭に出たのかは謎である。
「……きよ。あい」
「ん?なぁに?」
フウはキヨに花なのか雑草なのかわからない草を渡した。
「……きよ、いたいいたい、ないない、なーいないっ」
「フウ…」
何故フウが庭にいたのかがわかったキヨは、小さなフウを力一杯抱きしめた。
「ありがとう、フウ。大好きよ」
「……ふう、きよ、しゅちー」
フウはニマッと笑うと、キヨのほっぺにキスをした。
花を摘んでくれたフウ。
小さい頃ひまわりを摘んできてくれたカゼにそっくりだった。
ある秋の日の昼下がり。
キヨはソファの上で仰向けになりながら、1人唸っていた。
つわりは治まりつつあるのに、連日続く頭痛がキヨを心身ともに蝕んでいく。
「あー…。もうやだ…。イノリ…早く帰ってきて〜…」
段々と寂しいような、悲しいような泣きたい気持ちになってきたキヨ。
すると、フウがいない事に気がついた。
「あれ?…フウ!?フウ、どこ!?」
カナヅチで打たれているかのように痛む頭を押さえながら、キヨはフウを捜す。
家中、何処にもフウがおらず、キヨが青ざめると庭からキヨを呼ぶ声が聞こえてきた。
「……きよ!!きよ!!」
「え?フウ、どこにいるの!?」
キヨが庭に出る為にリビングの窓を開けると、靴の履いていないフウが庭をトテトテと駆け回っていた。
まだ自分で靴が履けないフウ。
どうやって庭に出たのかは謎である。
「……きよ。あい」
「ん?なぁに?」
フウはキヨに花なのか雑草なのかわからない草を渡した。
「……きよ、いたいいたい、ないない、なーいないっ」
「フウ…」
何故フウが庭にいたのかがわかったキヨは、小さなフウを力一杯抱きしめた。
「ありがとう、フウ。大好きよ」
「……ふう、きよ、しゅちー」
フウはニマッと笑うと、キヨのほっぺにキスをした。
花を摘んでくれたフウ。
小さい頃ひまわりを摘んできてくれたカゼにそっくりだった。