続・祈りのいらない世界で
17・全てを受け止めてくれる存在
ある日の夜。
フウを寝かせたキヨは珍しくケンと2人、ソファに座っていた。
「今日、イノリ帰り遅いの?」
「うん。仕事仲間と飲んでくるみたい」
「まぁ付き合いも大切だからね」
イノリの帰りを待っているキヨとケンは、毛布にくるまりながら話していた。
「ケン、カンナとどう?私、最近カンナと話してないなぁ…」
「最近カンナ、家にいないもんね。…俺さ、1つ考えてる事があるんだ」
「何?」
「…ちゃんと決心が固まったら話すよ」
キヨはケンの言葉が気になりながらも、問い詰めるのはやめた。
「そうだキヨ、高校3年の時のクラスの同窓会のメール来た?」
「来た来た。カゼに会えるの楽しみ〜♪って言われたよ」
「…そっか。高校の奴らはカゼの事知らない人いるんだよな」
「みんな…どんな顔するんだろ」
男女共に人気のあったカゼ。
カゼの死を知らない人はどんな反応をするのだろうか。
呆然とする人
泣き崩れる人
そんな人を見ながら、またカゼがいない悲しみを味あわなくてはならないのか…。
そう思いながらキヨはココアを啜ると、マグカップをテーブルに置く。
「あれ、キヨ。その指輪なに?」
「え?これ?ふふっ。イノリが小さい頃、くれた指輪。部屋の整理してたら出てきたの」
キヨの指にはめられているのは子ども用の玩具の指輪。
その指輪は、小指にはめても少しキツい。
フウを寝かせたキヨは珍しくケンと2人、ソファに座っていた。
「今日、イノリ帰り遅いの?」
「うん。仕事仲間と飲んでくるみたい」
「まぁ付き合いも大切だからね」
イノリの帰りを待っているキヨとケンは、毛布にくるまりながら話していた。
「ケン、カンナとどう?私、最近カンナと話してないなぁ…」
「最近カンナ、家にいないもんね。…俺さ、1つ考えてる事があるんだ」
「何?」
「…ちゃんと決心が固まったら話すよ」
キヨはケンの言葉が気になりながらも、問い詰めるのはやめた。
「そうだキヨ、高校3年の時のクラスの同窓会のメール来た?」
「来た来た。カゼに会えるの楽しみ〜♪って言われたよ」
「…そっか。高校の奴らはカゼの事知らない人いるんだよな」
「みんな…どんな顔するんだろ」
男女共に人気のあったカゼ。
カゼの死を知らない人はどんな反応をするのだろうか。
呆然とする人
泣き崩れる人
そんな人を見ながら、またカゼがいない悲しみを味あわなくてはならないのか…。
そう思いながらキヨはココアを啜ると、マグカップをテーブルに置く。
「あれ、キヨ。その指輪なに?」
「え?これ?ふふっ。イノリが小さい頃、くれた指輪。部屋の整理してたら出てきたの」
キヨの指にはめられているのは子ども用の玩具の指輪。
その指輪は、小指にはめても少しキツい。