続・祈りのいらない世界で
「ハァ…。寒い」
まだ吐く息は白くないが、吹き抜ける空っ風が冷たい。
「……まま、だっこ」
「はいはい。フウ、寒くない?」
キヨがフウを抱っこするとフウはニンマリと笑う。
体温の高いフウを抱っこしていると、キヨは温かくなってきた。
その温かさを感じていると、段々と悲しくなってきたキヨは涙が込み上げてくるのを感じた。
色んなことが辛くて、悲しくて
でもどうする事も出来なくて…
キヨがフウを抱きしめながら泣いていると、フウが何かに気付いた。
「……まーま、ぽんぽん、ぴょんっした」
「え?」
「……ぽんぽん、うしゃちゃん?ぴょんっした」
キヨはフウを膝の上から降ろしお腹に手を置くと、お腹がポコッと動いている事に気付いた。
こんな時に胎動を感じるなんて思わなかったキヨは、お腹の子とフウの為にいったん家に帰る事にした。
「…フウ。また明日お散歩しよう。おじいちゃん、おばあちゃんの所に行こうね」
「……あい」
頷くフウの頭を撫でると、キヨはフウと手を繋いで公園を出た。
すると、息を切らしたイノリが目の前に現れた。
「……あ。ねぐしぇ」
「…心配しただろ。バカ美月」
イノリを見て、キャッキャと喜ぶフウをヨソにキヨはイノリを無視して歩き出す。
イノリはそんなキヨを後ろから抱き締めた。
「離して!!イノリなんか知らない。私はフウとお腹の子と3人で生きてくの!!」
「…無事でよかった」
「人の話聞いてる!?私はもうイノリなんか嫌いなの!!イノリなんか要らないっ!!」
「俺は好きだよ」
イノリはキヨの小指に先程の指輪をはめた。
接着剤で固定したらしいトップは少し歪みながらもリングにくっついている。
「…俺が悪かった。ごめんな」
「…嫌い。イノリなんか大嫌いよ」
「嫌いって言うな。…嘘でもそれだけは言わないでくれ」
涙声でそう呟くと、イノリはキヨを抱き上げフウをおぶった。
まだ吐く息は白くないが、吹き抜ける空っ風が冷たい。
「……まま、だっこ」
「はいはい。フウ、寒くない?」
キヨがフウを抱っこするとフウはニンマリと笑う。
体温の高いフウを抱っこしていると、キヨは温かくなってきた。
その温かさを感じていると、段々と悲しくなってきたキヨは涙が込み上げてくるのを感じた。
色んなことが辛くて、悲しくて
でもどうする事も出来なくて…
キヨがフウを抱きしめながら泣いていると、フウが何かに気付いた。
「……まーま、ぽんぽん、ぴょんっした」
「え?」
「……ぽんぽん、うしゃちゃん?ぴょんっした」
キヨはフウを膝の上から降ろしお腹に手を置くと、お腹がポコッと動いている事に気付いた。
こんな時に胎動を感じるなんて思わなかったキヨは、お腹の子とフウの為にいったん家に帰る事にした。
「…フウ。また明日お散歩しよう。おじいちゃん、おばあちゃんの所に行こうね」
「……あい」
頷くフウの頭を撫でると、キヨはフウと手を繋いで公園を出た。
すると、息を切らしたイノリが目の前に現れた。
「……あ。ねぐしぇ」
「…心配しただろ。バカ美月」
イノリを見て、キャッキャと喜ぶフウをヨソにキヨはイノリを無視して歩き出す。
イノリはそんなキヨを後ろから抱き締めた。
「離して!!イノリなんか知らない。私はフウとお腹の子と3人で生きてくの!!」
「…無事でよかった」
「人の話聞いてる!?私はもうイノリなんか嫌いなの!!イノリなんか要らないっ!!」
「俺は好きだよ」
イノリはキヨの小指に先程の指輪をはめた。
接着剤で固定したらしいトップは少し歪みながらもリングにくっついている。
「…俺が悪かった。ごめんな」
「…嫌い。イノリなんか大嫌いよ」
「嫌いって言うな。…嘘でもそれだけは言わないでくれ」
涙声でそう呟くと、イノリはキヨを抱き上げフウをおぶった。