続・祈りのいらない世界で
「カンナとカゼ、ケンもありがとう。髪染めさせちゃってごめんね…」



キヨが4人に頭を下げると4人は笑った。




「キヨが怒られるなら、私達も怒られる覚悟くらいあるわ」

「………うん。キヨの為なら何でもするよ」

「そうそう♪何があっても俺らが守るからね!…それより俺、髪染めて更に男前になった気しない?」



ケンの言葉に4人は首を振る。




「てか、イノリは染めないの?黒髪のままじゃ仲間外れだよ?」



ケンはイノリの髪を触りながら呟く。



「俺は染めねぇよ。お袋がうっせぇからな。キヨがまた何か言われたらぶん殴りに行けばいい話だ」

「黒髪じゃないイノリ…面白そう♪」

「何がだよ!!何笑ってんだキヨは!!」

「………イノリが髪染めたら、本当にガラの悪いヤンキーになるね」

「カゼ、お前は喋るな!!」




もちろん、校則違反をした3人と教師にたてついたイノリ、そして地毛だと認めてもらえなかったキヨは後日家庭訪問をされるハメになった。



キヨの為に髪を染めてくれた3人。


3人の優しさが嬉しいキヨだがそれ以上に、教師相手に怯む事なく怒ってくれたイノリの態度が嬉しかった。






「みんな本当に優しいよね。ずっと昔からいつも味方でいてくれる。…そう思うと私、いつも迷惑掛けてばかりだね」


「俺らが好きでやってる事だから気にするなって。それより、明日カンナも行くのかな?何も聞いてないけど」


「私、聞いてこようか?今部屋にいるよね、カンナ」



キヨはケンの部屋を出るとカンナの部屋に足を運んだ。
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