続・祈りのいらない世界で
キヨにとってフウは、今となってはもう自分の息子のような存在。
でもフウの本当の母親はカンナである。
いつか、カンナが元に戻ったらフウにママと呼ばれなくなり、フウとは離れなくてはならない。
最近のキヨは、それに寂しさを感じるようになっていた。
「美月、フウ寝たか?」
イノリがフウの部屋に入ると、フウに抱きつきながら眠っているキヨがいた。
「お前、風邪ひくぞ。寝るんなら自分の部屋で寝ろよ」
「…う〜ん、やだっ!!フウ〜…」
イノリがキヨを抱き上げると、キヨはぐずり出す。
「…今の所、俺のライバルはフウだな」
イノリはフウを見て笑うとキヨを抱いたまま部屋から出て行った。
翌朝。
運転をイノリ、助手席にキヨ。
チャイルドシートがある後部座席にケンとカンナが狭そうに座りながら地元へと帰省した5人。
「同窓会は夜からだよね。最初は居酒屋さん貸し切って二次会がカラオケだって。みんな二次会出る?」
実家に到着し、車から降りるとキヨはケン達に問う。
ケンとカンナは首を振った。
「俺はちょっと用事があるから。カンナとフウはカゼの両親といるんだろ」
「うん。フウはカゼの両親に預けて、私は実家でゆっくりするわ」
カンナがフウをチャイルドシートから抱き上げると、フウはキヨに手を伸ばす。
「……まーま」
「…フウ、あなたのママはカンナでしょ。今抱っこしてるのがママよ」
「……いやーん。まま〜」
フウはカンナの腕の中でバタバタ暴れると、ぐずり出した。
その光景を複雑な表情で見つめるカンナ。
自分の気持ちを優先し、育児に手をつけなかった結果が招いた、悲しい現実。
今その事柄に気付いても遅い。
でもフウの本当の母親はカンナである。
いつか、カンナが元に戻ったらフウにママと呼ばれなくなり、フウとは離れなくてはならない。
最近のキヨは、それに寂しさを感じるようになっていた。
「美月、フウ寝たか?」
イノリがフウの部屋に入ると、フウに抱きつきながら眠っているキヨがいた。
「お前、風邪ひくぞ。寝るんなら自分の部屋で寝ろよ」
「…う〜ん、やだっ!!フウ〜…」
イノリがキヨを抱き上げると、キヨはぐずり出す。
「…今の所、俺のライバルはフウだな」
イノリはフウを見て笑うとキヨを抱いたまま部屋から出て行った。
翌朝。
運転をイノリ、助手席にキヨ。
チャイルドシートがある後部座席にケンとカンナが狭そうに座りながら地元へと帰省した5人。
「同窓会は夜からだよね。最初は居酒屋さん貸し切って二次会がカラオケだって。みんな二次会出る?」
実家に到着し、車から降りるとキヨはケン達に問う。
ケンとカンナは首を振った。
「俺はちょっと用事があるから。カンナとフウはカゼの両親といるんだろ」
「うん。フウはカゼの両親に預けて、私は実家でゆっくりするわ」
カンナがフウをチャイルドシートから抱き上げると、フウはキヨに手を伸ばす。
「……まーま」
「…フウ、あなたのママはカンナでしょ。今抱っこしてるのがママよ」
「……いやーん。まま〜」
フウはカンナの腕の中でバタバタ暴れると、ぐずり出した。
その光景を複雑な表情で見つめるカンナ。
自分の気持ちを優先し、育児に手をつけなかった結果が招いた、悲しい現実。
今その事柄に気付いても遅い。