続・祈りのいらない世界で
「ねぇイノリ。イノリはどんな人が好き?私と正反対の何でも自分で出来る人?」


「何だよ、いきなり」


「気になっただけ。…やっぱり痩せてて背が高くて、胸が大きくて…甘ったれでも泣き虫でもワガママでもない、私のお姉ちゃんみたいな魅力的な人がいいよね、誰だって…」



キヨは拗ねたように呟くと、イノリの肩に顎を乗せ眠り始めた。


冷たい風に揺れるキヨの髪がイノリの頬を掠る。




「…俺は…俺がいないと何も出来ない、そんな奴がいい。

面倒くせぇほど手が掛かるのに面倒くせぇとは思わせない、どうしようもなく可愛い女がいいかな。

…よくわかんねぇ趣味してんな、俺」




キヨをおぶったまま帰宅したイノリ。


その後5人は、具材が放り込まれただけの鍋を食べたのだった。
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