続・祈りのいらない世界で
イノリの部屋に入ると、イノリはスーツを着たまま携帯をいじっていた。
「まだ着替えてなかったの?」
「あぁ。お袋からメールが来てたんだよ」
「祭ちゃん何だって?」
「あー…美月の面倒ちゃんと見てんのかとか、美月に何でもやらせてんじゃないのかとか、美月に怒鳴ったりしてないかとか、そんなのばっかりだよ」
イノリ以上にキヨの心配をするイノリの母。
そんな義母がキヨは大好きだった。
「イノリの心配性は祭ちゃん譲りなんだね」
キヨはふふっと微笑むと、イノリが羽織っているビジネスコートの中に入った。
「ちょいとお邪魔しまーす♪」
「お邪魔しまーす♪じゃねぇよ。俺は着替えるんだ」
「いいじゃん。まだ新婚さんなんだから」
「新婚って気はしねぇけどな」
キヨは顔を膨らますとイノリに抱きついた。
「おい。もうお前は母親なんだから、少しくらい甘え癖を直せ」
「やだ!!子ども生んでも甘ったれでいるって決めたの。…だって私、女の子が生まれて大きくなって『パパと結婚するの』とか言われたら妬くもん。イノリが娘とチューしたら泣くもん」
「娘に妬いてどうすんだよ。バカだな。…まぁ息子に妬きそうな俺も俺か」
イノリはそう言うとコートの裾を広げてキヨを包み込んだ。
「私、スーツ姿のイノリ好き。大人っぽく見える」
「高校の制服だってブレザーだったんだから似たようなもんだろ」
「全然違うよ。凄くカッコいい」
「今更だな。…俺はエプロン姿の美月が好きかな。あれでちまちまと出迎えする姿はもう…」
そこで言葉を切ると、イノリは笑い出した。
「なんで笑うの?エプロン姿、そんなにおかしい!?」
「ちげぇよ。
…朝とか、遅刻するって言ってんのにいつまでも引っ付いてるお前、可愛過ぎて笑える。俺が家に帰ってくると猛ダッシュで玄関に走ってくるお前もヤバい!!」
そこは笑う所なのか?と思う所で笑っているイノリを見て、キヨもつられて笑った。
「まだ着替えてなかったの?」
「あぁ。お袋からメールが来てたんだよ」
「祭ちゃん何だって?」
「あー…美月の面倒ちゃんと見てんのかとか、美月に何でもやらせてんじゃないのかとか、美月に怒鳴ったりしてないかとか、そんなのばっかりだよ」
イノリ以上にキヨの心配をするイノリの母。
そんな義母がキヨは大好きだった。
「イノリの心配性は祭ちゃん譲りなんだね」
キヨはふふっと微笑むと、イノリが羽織っているビジネスコートの中に入った。
「ちょいとお邪魔しまーす♪」
「お邪魔しまーす♪じゃねぇよ。俺は着替えるんだ」
「いいじゃん。まだ新婚さんなんだから」
「新婚って気はしねぇけどな」
キヨは顔を膨らますとイノリに抱きついた。
「おい。もうお前は母親なんだから、少しくらい甘え癖を直せ」
「やだ!!子ども生んでも甘ったれでいるって決めたの。…だって私、女の子が生まれて大きくなって『パパと結婚するの』とか言われたら妬くもん。イノリが娘とチューしたら泣くもん」
「娘に妬いてどうすんだよ。バカだな。…まぁ息子に妬きそうな俺も俺か」
イノリはそう言うとコートの裾を広げてキヨを包み込んだ。
「私、スーツ姿のイノリ好き。大人っぽく見える」
「高校の制服だってブレザーだったんだから似たようなもんだろ」
「全然違うよ。凄くカッコいい」
「今更だな。…俺はエプロン姿の美月が好きかな。あれでちまちまと出迎えする姿はもう…」
そこで言葉を切ると、イノリは笑い出した。
「なんで笑うの?エプロン姿、そんなにおかしい!?」
「ちげぇよ。
…朝とか、遅刻するって言ってんのにいつまでも引っ付いてるお前、可愛過ぎて笑える。俺が家に帰ってくると猛ダッシュで玄関に走ってくるお前もヤバい!!」
そこは笑う所なのか?と思う所で笑っているイノリを見て、キヨもつられて笑った。