続・祈りのいらない世界で
20・甘やかせ犯人
「フウ、お昼寝の時間だよ。ねんねしようね」
掃除をし終えたキヨがリビングに向かうと、電車のビデオを見ていたはずのフウの姿がなかった。
ビデオは終わったらしく、ノイズが流れている。
「フウ?またお庭かな?」
キヨはベランダの窓を開け庭を確認するが、フウはいない。
不審に思ったキヨが廊下に向かうと、フウは手をつきながらハイハイ登りで1人、階段を登っていた。
「フウ!!何やってんの!!危ないから階段はダメって言ったでしょ!?」
「………まーま、いた」
キヨを捜して2階に行こうとしていたらしいフウは、キヨの姿を見ると階段から手を離した。
その瞬間――。
ぐらりとバランスを崩したフウを咄嗟に抱き留めたキヨは、階段の中ほどから落ちた。
家中に鈍い音が響く。
キヨは強く打ちつけた後頭部とお尻に痛みを感じた。
「………うぎゃあああ!!!!」
「いたた…。よしよし、びっくりしたね、フウ。もう大丈夫だよ」
驚いて泣き出すフウをあやしながら、キヨは立ち上がる。
すると、足首に激痛が走った。
「ひゃっ…!!痛ーいっ!!!!……病院行った方がいいかな。頭も打ったし、妊婦だし」
「………まま、めんね(ごめんね)。めんしゃい(ごめんなさい)」
「フウをちゃんと見てなかった私が悪いから大丈夫だよ」
キヨはフウのおでこにキスをするとタクシーを呼び、病院へと向かった。
頭にたんこぶが出来ていた以外は異常がないと診断されたキヨはそのまま家に帰り、仕事から帰宅したイノリに今日の出来事を話した。
イノリの顔は怒っている。
掃除をし終えたキヨがリビングに向かうと、電車のビデオを見ていたはずのフウの姿がなかった。
ビデオは終わったらしく、ノイズが流れている。
「フウ?またお庭かな?」
キヨはベランダの窓を開け庭を確認するが、フウはいない。
不審に思ったキヨが廊下に向かうと、フウは手をつきながらハイハイ登りで1人、階段を登っていた。
「フウ!!何やってんの!!危ないから階段はダメって言ったでしょ!?」
「………まーま、いた」
キヨを捜して2階に行こうとしていたらしいフウは、キヨの姿を見ると階段から手を離した。
その瞬間――。
ぐらりとバランスを崩したフウを咄嗟に抱き留めたキヨは、階段の中ほどから落ちた。
家中に鈍い音が響く。
キヨは強く打ちつけた後頭部とお尻に痛みを感じた。
「………うぎゃあああ!!!!」
「いたた…。よしよし、びっくりしたね、フウ。もう大丈夫だよ」
驚いて泣き出すフウをあやしながら、キヨは立ち上がる。
すると、足首に激痛が走った。
「ひゃっ…!!痛ーいっ!!!!……病院行った方がいいかな。頭も打ったし、妊婦だし」
「………まま、めんね(ごめんね)。めんしゃい(ごめんなさい)」
「フウをちゃんと見てなかった私が悪いから大丈夫だよ」
キヨはフウのおでこにキスをするとタクシーを呼び、病院へと向かった。
頭にたんこぶが出来ていた以外は異常がないと診断されたキヨはそのまま家に帰り、仕事から帰宅したイノリに今日の出来事を話した。
イノリの顔は怒っている。