続・祈りのいらない世界で
クリスマスソングが響き渡る街をすり抜けていると、荷台に座っているキヨがバタバタと足を振り出した。
「イノリっ!!肉まん食べたい」
「あ?お前、自分の腹が肉まんみたいなんだからそれ見て我慢しろ」
「お腹の子が食べたいって言ってるの」
「言うか!!」
文句を言いながらもコンビニへと自転車を向かわせたイノリ。
イノリはホット珈琲を、キヨはピザまんとクリスマス用にリボンが結ばれたキャラクターのベルの玩具を購入した。
2人はガードレールに並んで寄りかかり、ひと息ついていた。
キヨは嬉しそうに玩具のベルを振る。
「まーたくだらねぇモン買いやがって」
「可愛いでしょ?リンリンリーンって鳴るんだよ」
「見りゃわかる」
関心なさそうに缶珈琲を飲むイノリの手を取ると、キヨはベルに巻かれていた赤いリボンをイノリの小指と自分の小指に結んだ。
「何してんだよ。ゴミはゴミ箱に捨てろ」
「へっへーん。運命の赤い糸♪…なんちゃって」
嬉しそうにリボンを掲げるキヨを暫く凝視した後、イノリは白い息のため息を吐いた。
「赤い糸なんてねぇよ。糸なんてすぐ切れちまうだろ。それに見えねぇもんは信じられない」
「イノリはさぁ!ロマンって言葉を知らないワケ!?」
「俺が信じてるのは俺だ。赤い糸なんかで結ばれてなくたって俺は美月を選んでるよ」
「…私は信じたいな、赤い糸」
キヨが拗ねたように口を尖らしてピザまんにかぶりつくと、イノリはキヨをチョイチョイと手招きした。
「何?ピザまん食べたくなった?半分こしようか」
キヨがピザまんを半分に割ると、イノリはキヨの頬を上に引き上げ触れるだけのキスをした。
冷え切ったイノリの手が冷たく感じる頬と、少し触れた温かい唇。
「…人前でキスするなんてイノリらしくないね」
「だな。クリスマスのムードにやられたかな」
イノリは指からリボンを外すと、キヨの前髪にちょこんと結んだ。
「イノリっ!!肉まん食べたい」
「あ?お前、自分の腹が肉まんみたいなんだからそれ見て我慢しろ」
「お腹の子が食べたいって言ってるの」
「言うか!!」
文句を言いながらもコンビニへと自転車を向かわせたイノリ。
イノリはホット珈琲を、キヨはピザまんとクリスマス用にリボンが結ばれたキャラクターのベルの玩具を購入した。
2人はガードレールに並んで寄りかかり、ひと息ついていた。
キヨは嬉しそうに玩具のベルを振る。
「まーたくだらねぇモン買いやがって」
「可愛いでしょ?リンリンリーンって鳴るんだよ」
「見りゃわかる」
関心なさそうに缶珈琲を飲むイノリの手を取ると、キヨはベルに巻かれていた赤いリボンをイノリの小指と自分の小指に結んだ。
「何してんだよ。ゴミはゴミ箱に捨てろ」
「へっへーん。運命の赤い糸♪…なんちゃって」
嬉しそうにリボンを掲げるキヨを暫く凝視した後、イノリは白い息のため息を吐いた。
「赤い糸なんてねぇよ。糸なんてすぐ切れちまうだろ。それに見えねぇもんは信じられない」
「イノリはさぁ!ロマンって言葉を知らないワケ!?」
「俺が信じてるのは俺だ。赤い糸なんかで結ばれてなくたって俺は美月を選んでるよ」
「…私は信じたいな、赤い糸」
キヨが拗ねたように口を尖らしてピザまんにかぶりつくと、イノリはキヨをチョイチョイと手招きした。
「何?ピザまん食べたくなった?半分こしようか」
キヨがピザまんを半分に割ると、イノリはキヨの頬を上に引き上げ触れるだけのキスをした。
冷え切ったイノリの手が冷たく感じる頬と、少し触れた温かい唇。
「…人前でキスするなんてイノリらしくないね」
「だな。クリスマスのムードにやられたかな」
イノリは指からリボンを外すと、キヨの前髪にちょこんと結んだ。