続・祈りのいらない世界で
イノリはふぅ…っと息を吐いてから、壁の影に隠れているキヨに目を向けた。
「…いつまで隠れてんだよ。覗き魔」
イノリはキヨに歩み寄ると、キヨを抱き上げた。
「すぐ妬くんだから。この泣き虫さんは」
「だって…イノリっ…お姉ちゃんっ」
「何が言いてぇのかわからねぇよ。…俺は清田家の女に好かれるらしいな」
イノリは笑うと、ぐしゅぐしゅと泣きじゃくるキヨの背中をさすった。
「まぁ…しっかり者の血筋なはずの清田家に生まれた甘ったれさんが1番可愛いんだけどな」
「本当に?」
「何度も言ってんだろ。お前は俺に心底愛されてるって自惚れるくらいが丁度いいんだって。心配なんかする必要ねぇよ」
キヨの両親との会話を楽しんだ2人は、暫くしてお隣さんのイノリの実家へと向かった。
「きゃーっ♪美月ちゃん、おかえり〜♪お腹だいぶ大きくなったわね」
「祭ちゃん、ただいま♪」
イノリそっちのけで抱きしめ合うキヨとイノリの母。
「…おい、お袋。俺にはおかえりって言わねぇのかよ」
「あら、祈。いたの?」
ふてくされたイノリは、キヨの家でお腹も満たされたとのことで、自分の部屋に入っていってしまった。
「本当にもう、いつまで経ってもあの子は短気なんだから。美月ちゃんに怒鳴ったりしてない?」
「うん。イノリは優しいよ」
「ふふっ。確かに美月ちゃんと結婚してから祈、丸くなったものね。美月ちゃんの癒やしパワーのおかげかしら」
キヨとイノリの母は一緒にリビングに入ると、並んでソファに座った。
「子供の名前、ヨウセイに決まったよ。イノリが決めたんだよ」
「ヨウセイ?妖精?また奇抜な名前付けたわね」
「違うよ。太陽のように生きるって書いて陽生。この子、4月が予定日だから春生まれの赤ちゃんの名前事典見て決めたみたい」
「祈もちゃーんと考えてるのね。それよりあと3ヶ月で孫の顔見れるのよね、楽しみだわ」
イノリの母はキヨの頭を優しく撫でる。
「…いつまで隠れてんだよ。覗き魔」
イノリはキヨに歩み寄ると、キヨを抱き上げた。
「すぐ妬くんだから。この泣き虫さんは」
「だって…イノリっ…お姉ちゃんっ」
「何が言いてぇのかわからねぇよ。…俺は清田家の女に好かれるらしいな」
イノリは笑うと、ぐしゅぐしゅと泣きじゃくるキヨの背中をさすった。
「まぁ…しっかり者の血筋なはずの清田家に生まれた甘ったれさんが1番可愛いんだけどな」
「本当に?」
「何度も言ってんだろ。お前は俺に心底愛されてるって自惚れるくらいが丁度いいんだって。心配なんかする必要ねぇよ」
キヨの両親との会話を楽しんだ2人は、暫くしてお隣さんのイノリの実家へと向かった。
「きゃーっ♪美月ちゃん、おかえり〜♪お腹だいぶ大きくなったわね」
「祭ちゃん、ただいま♪」
イノリそっちのけで抱きしめ合うキヨとイノリの母。
「…おい、お袋。俺にはおかえりって言わねぇのかよ」
「あら、祈。いたの?」
ふてくされたイノリは、キヨの家でお腹も満たされたとのことで、自分の部屋に入っていってしまった。
「本当にもう、いつまで経ってもあの子は短気なんだから。美月ちゃんに怒鳴ったりしてない?」
「うん。イノリは優しいよ」
「ふふっ。確かに美月ちゃんと結婚してから祈、丸くなったものね。美月ちゃんの癒やしパワーのおかげかしら」
キヨとイノリの母は一緒にリビングに入ると、並んでソファに座った。
「子供の名前、ヨウセイに決まったよ。イノリが決めたんだよ」
「ヨウセイ?妖精?また奇抜な名前付けたわね」
「違うよ。太陽のように生きるって書いて陽生。この子、4月が予定日だから春生まれの赤ちゃんの名前事典見て決めたみたい」
「祈もちゃーんと考えてるのね。それよりあと3ヶ月で孫の顔見れるのよね、楽しみだわ」
イノリの母はキヨの頭を優しく撫でる。