続・祈りのいらない世界で
リモコンを投げて寝っ転がるイノリは、何やら視線を感じ顔をあげると、母と目が合った。
「…何だよ。息子の顔なんか見つめて」
「あんた、遠目はカッコイイんだなって思って。近寄るとそうでもないけど」
「はぁ!?俺はどっから見ても男前なんだよ」
「くりくりパーマがよく言うわよ。あんたを男前だと言ってくれるのは美月ちゃんくらいでしょ。男前って言うのは、風ちゃんみたいな子のことを言うのよ」
「くりくりパーマはお袋の遺伝だろーが!!好きでこんな髪質になったんじゃねぇよ!!」
仲良く言い争う親子を見ながら、キヨはオムライスを運んできた。
「はい、誕生日ケーキならぬ誕生日オムライス。誕生日おめでとう、イノリ」
「うぉっ、すげぇ!!旗立ってる」
「100均で買ってたんだよ♪素敵でしょ」
オムライスに誇らしげに掲げられた旗に目をキラキラさせて喜ぶイノリ。
「愛想の悪い男が旗で喜ぶなんて気持ち悪ーい」
「うっせぇ。お袋は黙ってろ!!……っていうか今気付いたんだけど、オムライスに生クリームで『欲求不満』、ケチャップで『くりくりパーマ』って書いたのは誰だ!?」
悲惨なことになっているオムライスを怒りながら食べるイノリにキヨと母は笑う。
騒がしい24回目の誕生日を迎えたイノリ。
その日の昼に目を覚ましたキヨとイノリは、最近近くに出来たショッピングモールにイノリの母とフウ、そしてカゼの母と向かった。
「キヨの母ちゃんは連れてかなくていいのか?」
「うん。もうお父さんと何回も行ってるんだって」
「カンナも昨日親と行ったって言ってたからいいか。ケンの両親は出掛けてて夜までいねぇし」
「その前にそんなにこの車に乗れなくない?」
カタカタと音を立てる車に揺られながら着いたショッピングモールは、田舎にしては大き過ぎる程の建物。
駐車されている車のナンバープレートを見る限り、かなり遠くの方から来ている人が多い。
「…何だよ。息子の顔なんか見つめて」
「あんた、遠目はカッコイイんだなって思って。近寄るとそうでもないけど」
「はぁ!?俺はどっから見ても男前なんだよ」
「くりくりパーマがよく言うわよ。あんたを男前だと言ってくれるのは美月ちゃんくらいでしょ。男前って言うのは、風ちゃんみたいな子のことを言うのよ」
「くりくりパーマはお袋の遺伝だろーが!!好きでこんな髪質になったんじゃねぇよ!!」
仲良く言い争う親子を見ながら、キヨはオムライスを運んできた。
「はい、誕生日ケーキならぬ誕生日オムライス。誕生日おめでとう、イノリ」
「うぉっ、すげぇ!!旗立ってる」
「100均で買ってたんだよ♪素敵でしょ」
オムライスに誇らしげに掲げられた旗に目をキラキラさせて喜ぶイノリ。
「愛想の悪い男が旗で喜ぶなんて気持ち悪ーい」
「うっせぇ。お袋は黙ってろ!!……っていうか今気付いたんだけど、オムライスに生クリームで『欲求不満』、ケチャップで『くりくりパーマ』って書いたのは誰だ!?」
悲惨なことになっているオムライスを怒りながら食べるイノリにキヨと母は笑う。
騒がしい24回目の誕生日を迎えたイノリ。
その日の昼に目を覚ましたキヨとイノリは、最近近くに出来たショッピングモールにイノリの母とフウ、そしてカゼの母と向かった。
「キヨの母ちゃんは連れてかなくていいのか?」
「うん。もうお父さんと何回も行ってるんだって」
「カンナも昨日親と行ったって言ってたからいいか。ケンの両親は出掛けてて夜までいねぇし」
「その前にそんなにこの車に乗れなくない?」
カタカタと音を立てる車に揺られながら着いたショッピングモールは、田舎にしては大き過ぎる程の建物。
駐車されている車のナンバープレートを見る限り、かなり遠くの方から来ている人が多い。