続・祈りのいらない世界で
翌朝。
目を覚ましたイノリはキッチンのテーブルに座って朝食を食べているケンに話し掛けた。
「ケン、お前暫く仕事休んでくれねぇか?」
「おはよ、イノリ。何だよ、いきなり」
「美月が腹張って痛いって言ってるし、出血もしてんだよ。1人じゃ何かあった時危ねぇだろ」
「出血!?キヨ大丈夫なの?」
ケンはイノリの食事の支度をしているキヨを見る。
「うん。今は大丈夫」
「俺は正社員だから簡単に休めねぇんだよ。だから頼む」
「もちろんいいよ。今の俺、プチニートだし俺に出来る事ってそれくらいだもんね」
ケンはイノリに申し訳ないと言った溜め息を吐く。
「まぁ、ニートはニートでも役に立つニートってことで。今日も病院まで連れて行ってやってくれ」
「あいよ〜」
その後、キヨはケンとフウと共に産婦人科に行くと検査を受けた。
「北山さんは部分前置胎盤といって、胎盤が少し下に下がっているので、擦れて出血してしまうんですよ」
「部分前置胎盤…?ですか」
キヨとケンは部分前置胎盤の他に帝王切開でしかお産が出来ない『全前置胎盤』の説明も聞いた。
「部分前置胎盤は胎盤が少し子宮口の近くにあることです。でも、子宮口を全部覆ってしまう全前置胎盤ではありませんから普通分娩でも出産出来ますよ」
「じゃあキヨと赤ちゃんがどこか悪いワケじゃないんですね?」
キヨと共に話を聞いていたケンは心配そうに医師に問う。
「はい。そんなに心配しなくて大丈夫ですよ、旦那様。ただ、出血した時は大出血になる前に病院へ来て下さい」
キヨは医師になるべく重い物を持ったり、階段の上り下りや洗濯物干しなどをしないよう指示を受け、ウテメリンという張り止めの薬を処方してもらった。
「俺、キヨの旦那様に間違えられちゃったね。ラッキー♪」
「ケンと私、夫婦に見えるんだね。ショックだわぁ〜」
「俺はキヨの言葉にショックだわ」
病院から帰った後、ケンはいつもキヨがしている家事をし始めた。
目を覚ましたイノリはキッチンのテーブルに座って朝食を食べているケンに話し掛けた。
「ケン、お前暫く仕事休んでくれねぇか?」
「おはよ、イノリ。何だよ、いきなり」
「美月が腹張って痛いって言ってるし、出血もしてんだよ。1人じゃ何かあった時危ねぇだろ」
「出血!?キヨ大丈夫なの?」
ケンはイノリの食事の支度をしているキヨを見る。
「うん。今は大丈夫」
「俺は正社員だから簡単に休めねぇんだよ。だから頼む」
「もちろんいいよ。今の俺、プチニートだし俺に出来る事ってそれくらいだもんね」
ケンはイノリに申し訳ないと言った溜め息を吐く。
「まぁ、ニートはニートでも役に立つニートってことで。今日も病院まで連れて行ってやってくれ」
「あいよ〜」
その後、キヨはケンとフウと共に産婦人科に行くと検査を受けた。
「北山さんは部分前置胎盤といって、胎盤が少し下に下がっているので、擦れて出血してしまうんですよ」
「部分前置胎盤…?ですか」
キヨとケンは部分前置胎盤の他に帝王切開でしかお産が出来ない『全前置胎盤』の説明も聞いた。
「部分前置胎盤は胎盤が少し子宮口の近くにあることです。でも、子宮口を全部覆ってしまう全前置胎盤ではありませんから普通分娩でも出産出来ますよ」
「じゃあキヨと赤ちゃんがどこか悪いワケじゃないんですね?」
キヨと共に話を聞いていたケンは心配そうに医師に問う。
「はい。そんなに心配しなくて大丈夫ですよ、旦那様。ただ、出血した時は大出血になる前に病院へ来て下さい」
キヨは医師になるべく重い物を持ったり、階段の上り下りや洗濯物干しなどをしないよう指示を受け、ウテメリンという張り止めの薬を処方してもらった。
「俺、キヨの旦那様に間違えられちゃったね。ラッキー♪」
「ケンと私、夫婦に見えるんだね。ショックだわぁ〜」
「俺はキヨの言葉にショックだわ」
病院から帰った後、ケンはいつもキヨがしている家事をし始めた。