続・祈りのいらない世界で
30・おやつ、はんぶんこ
「フウ、そんなに陽ちゃんが気になる?」
退院したキヨが約1ヶ月ぶりに家事をしていると、リビングにあるベビーベッドに眠るヨウセイを不思議な目で見つめるフウがいた。
「……あーちゃん、なむなむ?(赤ちゃん、南無南無)」
「寝てるだけだよ。それと、あーちゃんじゃなくて陽ちゃんね」
「……うぉーちゃん?」
「よ!うちゃん。分かるかな?」
理解したのかしていないのか、フウはキョトンとキヨを見つめた後、口をキュッとつぐんで頷いた。
「……よーちゃん!」
「そう、よーちゃん。よく言えました。フウは賢いね」
フウはベビーベッドの柵を揺らしたり、周りをチョロチョロして片時もヨウセイから離れようとしない。
まるで弟が出来た事を喜んでいる兄のよう。
そんなフウを見たキヨは、フウに伝えるべき事を口に出来ずにいた。
「キヨ、ちょっと相談があるんだけど…いい?」
「ケン!やっと起きたんだね。もう夕方だよ?」
「昨日ちょっと夜更かししちゃったからね。でも、さすがに寝過ぎた。頭痛い…」
仕事が休みのケンは、昨夜遅くまで起きていたせいか、夕方に近い時間帯まで寝ていた。
「お茶淹れてくるからちょっと待っててね」
「うん、ありがとう」
キヨがキッチンに向かうと、ケンはリビングのソファに腰を降ろした。
退院したキヨが約1ヶ月ぶりに家事をしていると、リビングにあるベビーベッドに眠るヨウセイを不思議な目で見つめるフウがいた。
「……あーちゃん、なむなむ?(赤ちゃん、南無南無)」
「寝てるだけだよ。それと、あーちゃんじゃなくて陽ちゃんね」
「……うぉーちゃん?」
「よ!うちゃん。分かるかな?」
理解したのかしていないのか、フウはキョトンとキヨを見つめた後、口をキュッとつぐんで頷いた。
「……よーちゃん!」
「そう、よーちゃん。よく言えました。フウは賢いね」
フウはベビーベッドの柵を揺らしたり、周りをチョロチョロして片時もヨウセイから離れようとしない。
まるで弟が出来た事を喜んでいる兄のよう。
そんなフウを見たキヨは、フウに伝えるべき事を口に出来ずにいた。
「キヨ、ちょっと相談があるんだけど…いい?」
「ケン!やっと起きたんだね。もう夕方だよ?」
「昨日ちょっと夜更かししちゃったからね。でも、さすがに寝過ぎた。頭痛い…」
仕事が休みのケンは、昨夜遅くまで起きていたせいか、夕方に近い時間帯まで寝ていた。
「お茶淹れてくるからちょっと待っててね」
「うん、ありがとう」
キヨがキッチンに向かうと、ケンはリビングのソファに腰を降ろした。