続・祈りのいらない世界で
キヨは日記に再び鍵を掛けると、元の場所に戻した。
本音をあまり口にしないカゼの本音が書き記されたノートを、カゼに返したのだった。
翌日。
産婦人科に行ったキヨは妊娠を告げられた。
カンナは自分の事のように喜び、ケンもおめでとうと何度も呟き、5人の両親や華月も泣きながら喜んだ。
「あと10ヵ月だけか。俺だけの美月でいるのは。何か複雑だな…」
「何言ってんの!!絶対イノリ、親バカになると思うよ?そしたらきっと、私の事なんかほったらかしにするんだ」
「ほったらかすかよ。俺は美月バカだ。安心しろ」
イノリはキヨのお腹に顔を寄せると、優しく微笑んだ。
「美月に痛い想いさせたらぶっ飛ばすからな」
「ちょっと!我が子に何言ってんのよ」
「美月を泣かせていいのは俺だけだ。…殴られたくなきゃ美月が痛くないように生まれてくるんだな。俺の子どもだ、美月を泣かせない方法くらいわかるだろ」
「わかるワケないでしょ!?…どうか性格だけはイノリに似ませんように」
「何だと!?」
あと約10ヵ月後。
沢山の人に祝福された2人の愛を形とした命が、この世に誕生する。
本音をあまり口にしないカゼの本音が書き記されたノートを、カゼに返したのだった。
翌日。
産婦人科に行ったキヨは妊娠を告げられた。
カンナは自分の事のように喜び、ケンもおめでとうと何度も呟き、5人の両親や華月も泣きながら喜んだ。
「あと10ヵ月だけか。俺だけの美月でいるのは。何か複雑だな…」
「何言ってんの!!絶対イノリ、親バカになると思うよ?そしたらきっと、私の事なんかほったらかしにするんだ」
「ほったらかすかよ。俺は美月バカだ。安心しろ」
イノリはキヨのお腹に顔を寄せると、優しく微笑んだ。
「美月に痛い想いさせたらぶっ飛ばすからな」
「ちょっと!我が子に何言ってんのよ」
「美月を泣かせていいのは俺だけだ。…殴られたくなきゃ美月が痛くないように生まれてくるんだな。俺の子どもだ、美月を泣かせない方法くらいわかるだろ」
「わかるワケないでしょ!?…どうか性格だけはイノリに似ませんように」
「何だと!?」
あと約10ヵ月後。
沢山の人に祝福された2人の愛を形とした命が、この世に誕生する。