続・祈りのいらない世界で
「いきなりいなくならないでよ」

「いや…美月にこれ買ってやろうと思って」



イノリが手に持っていたのは、定番のペアストラップ。




「イノリって…可愛いね」

「うっせぇな!早くレジ行くぞ」



大量にお土産を買った2人は、パークを出てホテルまでの道を歩いていた。




「小腹空いた〜…」

「俺も。ホテルは多分バーしかもうやってねぇだろうから、コンビニでも行くか」



ホテルの駐車場に着いた2人は車に乗ると、近くのコンビニへ向かった。



コンビニに着くとキヨはカゴを持ち、一目散にデザートコーナーへ足を運んだ。




「プリン食べたーい♪あとチョコとアイスと…コーヒー牛乳も飲みたい」


「お前、夜中にそんな食ったら太るぞ。ただでさえ産後太りが半端ねぇんだから」


「そんなに太ってないもん!」


「まぁ俺は美月が力士みたいになっても別にいいけど」



イノリはキヨの頬をブニブニと摘んで喜んでいた。


2人はビールやデザートを山ほど買うとホテルへと戻り、ロビーでカードキーを受け取った。



宿泊する部屋のドアを開けると、スタンダードルームにしては広く、さすがと言っていいほど綺麗な部屋が目に映った。



部屋の窓はスプレーアートが施されてあり、ランタンやカボチャの置物が置いてある。



「広ーい!しかも部屋がちゃんとハロウィン仕様になってる〜♪」




目をキラキラさせたキヨはキャリーケースを放り投げると、色んな扉を開けたり、洗面所や浴室を探索し始めた。
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