続・祈りのいらない世界で
「なんでひまわりの種なんか持ってるの?イノリの柄でもない」
「いいから見てろ。今からマジック見せてやるから」
イノリは携帯を開き時間を確認すると、夜空に向かって種を投げた。
「…?はい、消えた!!とか言うマジックだったら怒るよ」
「いいから空見ろ。…花が咲くから」
「花?」
キヨが夜空を見上げると、ドーンという大きな音と共に黒い空に打ち上げ花火が咲いた。
「え?今日花火大会だっけ?」
「ちげぇよ。俺からの誕生日プレゼントだ」
「イノリから?」
空に咲く花火に照らされたイノリの顔を見ると、イノリは優しく微笑んでいた。
「俺の伯父が花火師だから頼んだんだよ。…誕生日おめでとう、キヨ」
イノリがキヨの頭をポンと叩くとキヨはイノリに抱きついた。
「うぁぁぁん!!ありがとう!!イノリ…大好きだよ」
「はいはい、知ってるよ。お前が俺ら4人の事が好きな事くらい」
届かない。
この気持ちはイノリには届かない
でも今は幸せだからいいや…
キヨは複雑な気持ちになりながらも、愛する人から貰った素敵な誕生日プレゼントに満足していた。
イノリは花火代を出世払いするつもりでいたが、伯父はある約束をする事でそれを帳消しにしてくれた。
その約束は
“花火をプレゼントする女の子と結婚すること”。
イノリはそれから5年後、伯父との約束をちゃんと果たした。
「…俺のそばに生まれてきてくれてありがとう」
イノリの声は花火の音に消された。
ありがとう、イノリ。
こんなに幸せな今があるなら明日死んでしまってもいいと思った。
私にはイノリ程の人なんかいないから、もしイノリのいない日が来たとしても
今日の日の幸せを感じながら、私は花火と共に消えてしまってもいいと思えたの。
ひまわりの種は夜空に植えられ、夏の空に花を咲かせた。
それはキヨが19歳になった夏の日のイノリからの贈り物。
それから東京に帰った5人はポストの横に表札を飾った。
「いいから見てろ。今からマジック見せてやるから」
イノリは携帯を開き時間を確認すると、夜空に向かって種を投げた。
「…?はい、消えた!!とか言うマジックだったら怒るよ」
「いいから空見ろ。…花が咲くから」
「花?」
キヨが夜空を見上げると、ドーンという大きな音と共に黒い空に打ち上げ花火が咲いた。
「え?今日花火大会だっけ?」
「ちげぇよ。俺からの誕生日プレゼントだ」
「イノリから?」
空に咲く花火に照らされたイノリの顔を見ると、イノリは優しく微笑んでいた。
「俺の伯父が花火師だから頼んだんだよ。…誕生日おめでとう、キヨ」
イノリがキヨの頭をポンと叩くとキヨはイノリに抱きついた。
「うぁぁぁん!!ありがとう!!イノリ…大好きだよ」
「はいはい、知ってるよ。お前が俺ら4人の事が好きな事くらい」
届かない。
この気持ちはイノリには届かない
でも今は幸せだからいいや…
キヨは複雑な気持ちになりながらも、愛する人から貰った素敵な誕生日プレゼントに満足していた。
イノリは花火代を出世払いするつもりでいたが、伯父はある約束をする事でそれを帳消しにしてくれた。
その約束は
“花火をプレゼントする女の子と結婚すること”。
イノリはそれから5年後、伯父との約束をちゃんと果たした。
「…俺のそばに生まれてきてくれてありがとう」
イノリの声は花火の音に消された。
ありがとう、イノリ。
こんなに幸せな今があるなら明日死んでしまってもいいと思った。
私にはイノリ程の人なんかいないから、もしイノリのいない日が来たとしても
今日の日の幸せを感じながら、私は花火と共に消えてしまってもいいと思えたの。
ひまわりの種は夜空に植えられ、夏の空に花を咲かせた。
それはキヨが19歳になった夏の日のイノリからの贈り物。
それから東京に帰った5人はポストの横に表札を飾った。