続・祈りのいらない世界で
8・第二の家族
ある夏の日の土曜日。
キヨがイノリの部屋を掃除していると、机の上に置いてあるイノリの携帯が鳴った。
ふとキヨが携帯を開くと『沙織』という人からの電話だった。
キヨは無意識の内に電話に出ていた。
「もしもし、祈?昨日は会えて嬉しかったわ。それでどう?喜んで貰えた?あの時計…」
キヨは通話口から女の声が聞こえると、咄嗟に通話を切ってしまった。
沙織って誰?
昨日?
昨日はイノリ、仕事だったよね?
キヨは考えを巡らすと、ある疑いが頭に浮かんだ。
「美月、掃除終わったか?」
キヨがイノリの携帯を握り締めていると、イノリがやって来た。
イノリがキヨの顔を覗き込むと、キヨは思い切りイノリに平手打ちをした。
痛そうな音が部屋に響く。
「いって!何すんだよいきなり」
「何じゃないわよ!!浮気してるくせに!!」
「は?浮気?」
訳が分からないイノリが眉を寄せると、キヨは着信履歴をイノリに見せつけた。
「沙織って女から電話掛かってきたの。誰よ沙織って!!浮気するならバレないようにしなさいよね!!」
キヨがイノリを睨むとイノリは溜め息をつく。
「お前はバカか。沙織の事、覚えてねぇのかよ」
「知らない知らないっ!!私が妊娠してるのをいい事に、他の女とあんな事やそんな事してたなんて最低よ!!」
興奮しているキヨは冷静さを失い、イノリの言葉が耳に入らない。
「落ち着け。また過呼吸になるぞ」
「イノリを誰かに取られるなんて嫌ぁぁぁ!!!!」
頭を抱えて叫ぶキヨの手を掴むとイノリはキヨを揺さぶる。
「落ち着け、美月」
「うるさいっ!!イノリなんか信じないっ!!だってイノリは私に隠れてお姉ちゃんとだって…」
キヨがそう言いかけると、イノリはキヨの頬を軽く叩いた。
キヨがイノリの部屋を掃除していると、机の上に置いてあるイノリの携帯が鳴った。
ふとキヨが携帯を開くと『沙織』という人からの電話だった。
キヨは無意識の内に電話に出ていた。
「もしもし、祈?昨日は会えて嬉しかったわ。それでどう?喜んで貰えた?あの時計…」
キヨは通話口から女の声が聞こえると、咄嗟に通話を切ってしまった。
沙織って誰?
昨日?
昨日はイノリ、仕事だったよね?
キヨは考えを巡らすと、ある疑いが頭に浮かんだ。
「美月、掃除終わったか?」
キヨがイノリの携帯を握り締めていると、イノリがやって来た。
イノリがキヨの顔を覗き込むと、キヨは思い切りイノリに平手打ちをした。
痛そうな音が部屋に響く。
「いって!何すんだよいきなり」
「何じゃないわよ!!浮気してるくせに!!」
「は?浮気?」
訳が分からないイノリが眉を寄せると、キヨは着信履歴をイノリに見せつけた。
「沙織って女から電話掛かってきたの。誰よ沙織って!!浮気するならバレないようにしなさいよね!!」
キヨがイノリを睨むとイノリは溜め息をつく。
「お前はバカか。沙織の事、覚えてねぇのかよ」
「知らない知らないっ!!私が妊娠してるのをいい事に、他の女とあんな事やそんな事してたなんて最低よ!!」
興奮しているキヨは冷静さを失い、イノリの言葉が耳に入らない。
「落ち着け。また過呼吸になるぞ」
「イノリを誰かに取られるなんて嫌ぁぁぁ!!!!」
頭を抱えて叫ぶキヨの手を掴むとイノリはキヨを揺さぶる。
「落ち着け、美月」
「うるさいっ!!イノリなんか信じないっ!!だってイノリは私に隠れてお姉ちゃんとだって…」
キヨがそう言いかけると、イノリはキヨの頬を軽く叩いた。