☆コードC☆
「で、SAKIの他に、オリジナルも入れろだって。」
「オリジナル?」
「作曲と作詞。誰がやりますかぁ?」
乃がキョロキョロと周りを見回す。
作詞かぁ…………。
そう思いながら、妄想していた。
夢の舞台で歌えている私。
夢のようだった。
「作曲はやらせてくれない?」
「え、裕がやるの?」
「うん。あと……。」
エース的存在の裕が作曲をやるのは何となく予想が付いていた。
心の中で、頑張ってと言った。
裕は、まだ私の気持ちには気付いてはいないんだろうな……。
「作詞は涼香にやらせてやれよ!」
「涼香?」
「……へ!?」
ボーっと裕を見つめていたら、裕がこっちを向いたから。
私は心臓が飛び出るほど驚いてしまった。
「やりたくない?作詞。」
「…………。」
「どう、涼香?」
「……やりたい!」
裕は、私の心を読んでくれてるのかな?
そうだったら良いのに。