☆コードC☆
零れたもの

「喉渇いたな……。何処に行こう……。」

今更家に帰れない。
親が何かと勘違いしそうだし、
何だかすごく気が引けてしまった。

「ダメだ、水飲も。」

しゃがんだ所為で縮んでいた背中。
響かない音を鳴らしながら伸びる。
筋肉も共に伸びたせいか、脱力。
やばい、汗かいちゃった……。
明日は休みだし
何て言葉は使えない。
一応年頃だから、それはリアルじゃない。
気になる、気になって仕方ない……。

“キュッ……。”

公園の水は多分浄水じゃないけど、良い。
冷たくて気持ち良いと思う。
今はそんなこと、気にしないけど。
ただ、水をくださいって叫びたい。
シャワーを浴びたい。
ご飯も食べたい。

頭はそれでいっぱいだった。


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