☆コードC☆

粗大ゴミを捨てていく大人たち。
嫌な商売だ。
やくざのする事に手を出してまでそんなことしたくないはずなのに。愚か。哀れ。
二つの言葉しか出てこない。

「俺達、夢語ってます!!」
「いぇ~い!!」

何人かが乗ってくれれば幸せ。
何人かが口ずさんでくれれば幸せ。
忘れられても不幸じゃない。
じぶんの心に残ってるから。

“ガラガラッ。”

ゴミ捨て場に捨てられていくゴミ。
また、遅くに出してる人。
放火魔のカモ。

「…………。」

バンドから離れてゴミ捨て場に近付く。
ゴミ袋に入っていたのは、ステッキ。
ドラム用のステッキだった。
どうしてこんな都心に来てまで?
スクールとかで嫌になったのか、そのステッキはまだ使えそうな状態だった。

「もったいな。」

貧乏臭いけど……
そのステッキを取り出した。
柔らかい木で出来たスティック。
ダメだ、臭いが付いてる。
乾してみよう。

何だか、それが愛しく思えた。


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