☆コードC☆


「一緒だよ、アンタとは。」

ニコッと笑ってみた。
スティックじゃなかった。
今までの自分へ。
最後の別れとして。

「…………涼香?」

低いトーン。
聞き覚えのある声。
懐かしく漂う香水の香り。
現れたのは、君だった。

「…………裕。」
「用事は済んだんだ?」
「…………。」

嘘を吐いていたなんて言えない。
その後が怖くて。
嫌いになったなんて嘘っぱち。
どうしてそんな自分なんだろう。
昨日まで好きだった自分が
少しずつ嫌いになっていく。

「あ、ジュースおごるよ?」
「ううん、いい……。」
「そうなの?」
「うん。」

渇いていたのは、喉じゃない。
自分の涙の通り道。
空いていたのはお腹じゃなかった。
心の虚しさがそうさせていた。

「ごめん、私…………。」
「え?」
「部活、辞めるの。」

そうしないと、崩れてしまうから。


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