☆コードC☆


「もしもし……?」

息を飲むと同時に返事は返ってきた。

“あたし。乃。”
「乃……。」
“さっきはゴメンね?反省してる。”

さっきとは違う優しい雰囲気。
少し安心したけど、緊張は続く。
嫌な汗。ヤダ、これじゃ……。
乃が嫌いみたいじゃないか。

“今日は、ありがとう。”
「……え?」
“裕を好きだったのは、本当。”
「そう……。」
“でも、傷付ける気は無かったよ?”

胸に熱いものを感じた。
沢山、溢れるぐらいに。

“涼香が嫌いなんじゃない。ただ、二人が仲がよくって……嫉妬して、あたし……!!”

シクシクと泣く乃の声が聞こえた。
今度は胸が締め付けられていく。
裕はトイレに行くと小声で言った。
小さく頷いて話を続ける。

「こっちこそ、気付かなくってごめん。私、乃の事嫌いになってないよ?平気だよ……?」


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