☆コードC☆


「…………。」


“キーンコーンカーンコーン。”


チャイムの音が霞んで聞こえる。
ボーっとしっぱなしだった。
何だか、空っぽになったみたいで。


「涼香。」
「あ……乃。」


にこっと笑って前の椅子に座る乃。
幸せそうな良い笑顔。
私の欲しがっていたはずの物。
でも、どうしてこんなに悲しいんだろう?


「今日、変だよ?ボーっとして。」
「あ、うん。考え事。」


それでも、失う事を恐れてる。



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