☆コードC☆






「……すごいですね、彰人さんって。」
「そ、そう?」

顔を薄い赤に染める彰人さん。
ちょっとした仕草に癒された。
こうやって、楽な道にそれていく自分。
でも、今は嫌いにならないよ。

「年上って感じです。お兄さん?」
「そう言ってもらえると嬉しいよ。ありがとう。良かったらまた来てくれると嬉しいな。」

大人の余裕。
感じるほろ苦さ。
どれを取っても尊い。
近いのに、遠い世界。
不思議な気分。

近くなれたことに
少し喜びを感じている自分が居た。

「…………さようなら。」
「うん、バイバイ。」

ねえ、今日は空が綺麗に見えたんだよ。
多分、貴方のおかげで。

“ポロロン……。”

Gコード。
裕のイメージ。
裕の音。
好きだけど、聞いても辛くない。

ギターもすんなり触れる。
そうだよ、新しい道を見つけなきゃ。
それが横道にそれていても。

「・・・・・・・・・・・・。」

“プップップッ……。”






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