☆コードC☆
ここは保健室。
教室が少し怖かった。
乃がいること。
裕がいることも
まだ辛い自分がいた。
“キーンコーンカーンコーン”
学校に行って鞄を開いたら
まだあのスティックが入っていた。
ドラムのスティックなんて、
しかも、捨ててあったのに
どうして私はこうなんだろう。
ああ、ちゃんと過ごしたい。
あの人に向って真っ直ぐに。
「……こんなの持ってさ。」
もう一度持ち上げてみる。
バンドの空気が懐かしい。
軽音楽部には、行けない。
だって、乃がいるから……。