純白の君に、ほんのすこしのノスタルジアを。
6
* * *
それからは、まあ、色々と大変だった。
ぽかんとした司会に代わって、俺が前に出て、かいつまんで事情を説明した。
その後、妹が実は書いてきていた父さんへのメッセージを読み上げた。
書いただけで、まさか本当に読み上げることになると思っていなかった妹のメッセージは、
いつもの妹の態度からは想像もつかないほど素直な言葉で彩られていて、見事に会場全体のお涙を頂戴してしまった。
俺もほんのすこしだけ泣きながら、すこし前に、「おまえの旦那っておまえのどこ好きになったんだろうな」と妹に言ったことを思い出していた。
その答えがわかった気がする。――なるほどな、最近流行りのツンデレか。
余談だが、結婚式の二次会で、式に来てくれていた大学生の従妹にせがまれて、俺はこの件についてかなり詳しく喋らされた。
小説のネタにしたいのだそうだ。
酔っていたのもあって、自分のちょっと恥ずかしい感傷まで洗いざらい話してしまったことを、すこしだけ後悔している。