不要なモノは愛
雑誌やテレビで見たことのあるモデルで、顔が小さくて、手足が長い。同じ人間とは思えないくらいスタイルがよくて、羨ましくなる。

スイッチのボタンは出て来てはいるけど、司会者がモデルにクリスマスの思い出を聞いていた。

二人は子供の頃、サンタクロースが玄関から入ってきたと楽しそうに話している。近くの子供たちが羨望の眼差しを向けていた。

サンタクロースの存在を信じている子も多いのだろう。


「きれい」


「え?まだ何もついていないよ?」


「あのモデルさんたち、きれいだなと思って」


「あー、そういうこと。でも、俺は小夏の方が好きだな。小夏の方がずっときれいだよ」


サラリと言う歯の浮くようなセリフに私は固まった。

何を言っているの?あのモデルさんのほうが誰が見てもきれいだと、分かるのに…この人は目が悪いのだろうか?


「あの、目が悪いですか?」


「ほんと、小夏は楽しいね。俺は、本気で言ってるんだけどね」


「はあ…」
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