不要なモノは愛
「お腹空いているでしょ?すぐに食べれるよ」


「うん…」


すぐに食べれるのは嬉しい。


「それと、明日も休みだし、泊めてもらえると助かるんだけど。そうすれば、思う存分、美味しく飲めるし」


「え…あー、そうですね」


美味しく食べて、美味しく飲みたい気分は分かる。帰る心配がなければ、気兼ねしなくて済む。

私だけが、美味しく飲んでは申し訳ないし。

今日は楽しいところに連れていってくれたから、お礼も兼ねて、泊まらせてもいいかな。

でも、松野兄は男だ。本当にいいのかな。決断してもいいのだろうか。

悩むけど、今すぐ答えを出さないといつまでたってもしゃぶしゃぶが食べれない。


「小夏?何もしないよ」


「何も…しない?」


「うん。あ、でも、キスくらいはするかもね」


最後の言葉は耳元で囁かれて、何度かされたキスを思い出した。あのキスをまたされる?

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