不要なモノは愛
「あら、松野さんもかわいいところがあるのね。小夏に好きだと言われて、何もしないなんてかなり我慢したんだろうねー。フフッ」


「何を我慢したというの?」


秋絵の言う意味も分からない。


「小夏はほんとかわいいわねー。小夏は松野さんとどうしたいと思うの?」


どうしたい?

どういうこと?

私は顎に手を当てて、考えた。

好きという気持ちは自覚した。でも、その先に何があるのか…私は何を求めていた?

私の求めていたモノは子供。


「子供が欲しい…」


「クスッ。それは、松野さんとの?」


「え?松野さんとの?」


質問に質問で返してしまう。


「そうよ。松野さんと結婚して、松野さんの子供を産むんでしょ?好きな人の子供なんて、最高じゃないのよ。私はまだ春海くんとの結婚は考えられないけどね」


子供さえいればいいと思っていた。子供に父親はいらないと思っていた。

愛がなくてもセックスをすれば子供が出来ると思っていた。
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