不要なモノは愛
「まあ、手を出さないのは小夏のことを思っているからだろうね。優しい人ね」


「うん。優しいと思う」


「クスッ。あんなに嫌いだとかデートしたくないって言ってたのに、随分と変わったのね。デート、そんなにも楽しかった?」


秋絵にからかわれてしまって、恥ずかしくなる。でも、本当に楽しかったし、松野兄の優しい部分がいっぱい見れた。

不思議だけど、好きになってしまったし。


翌朝、春海くんとショッピングに行くからと秋絵は早くに帰っていった。

12月だというのに気温が高くなると天気予報で言っていたから、リビングのカーテンを洗おうかと考えていると玄関のチャイムが鳴る。


「はい?」


「俺」


秋絵も朝早くの行動だったけど、松野兄も早い。


「起きてた?」


「うん。でも、まだ着替えていなくて」


まだパジャマ姿で、まだすっぴんだ。だから、ドアを開けることが出来なくて、ドア越しで返事をした。


「小夏。どんな姿でもいいから、開けてくれない?寒いんだけど」


「あ、ごめんなさい。そうだよね」

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