不要なモノは愛
靴を履いたままの冬悟さんが私の右腕を掴んで、引き寄せた。そして、素早くキス。

すぐに舌が入り込んできて、私は必死に応えた。触れあう舌と舌が熱くなっていく。ずっとしていたい。もっと感じたい…。


「あ…」


離れないで…。


「フッ…そんな顔されるとヤバイな。小夏にずっとキスがしたかった。これで、明日も頑張れる。じゃ、おやすみ。ちゃんと戸締まりしてね」


呆けている私の頭をポンポンと叩いて、手を振る。頷いて、私も振り返した。

寂しいけど、我慢だ。遅い時間に引き止めて、疲れさせてはいけない。


「そうだ」


「はい?」


「24日は仕事帰りに待ち合わせよう。小夏の会社の近くで待っているよ」


「24日?あ、クリスマスイブ」


「うん。楽しみにしておいて」


昨日、一樹から今年のクリスマスイブのことを聞かれた。子供の頃から毎年、一樹の家でクリスマス会をやっていて、そこに参加させてもらっていた。

それと、一樹と毎年プレゼント交換をしている。
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