不要なモノは愛

「一樹、彼女がいたよね？彼女、どうしたの？」


「は？いつの話だよ。かなり前に別れたよ」


一樹の彼女は一樹と同じ大学の後輩で、偶然近所で出会ったことがあった。

「私、一樹くんの彼女なんです」とものすごく突き刺さるような目で宣言された。かわいい顔をしていたけど、なんか怖かった。

一樹ベッタリという感じだったけど、別れたんだ。


「へー、どうして？」


あの１度しか会ったことはなかったけど、ずっと続いているのだと思っていた。


「小夏はほんと、鈍感過ぎるよね。いつまでも他の女を思っている人とはもう付き合えないって、振られたよ。俺なりに好きだったつもりだけど、そうではないと見抜かれていた」


かわいくてもやっぱり気が強かったんだ。振る理由がしっかりしているというか、すごい。でも、恋愛のことは分からないけど、振られたのは一樹が悪い。


「彼女いるのに、他の女を思うなんて、ダメじゃないのよ」