不要なモノは愛
自分の持ちかけていた相談を忘れて、二人の成り行きを見守りたくなってきた。


「あらあら、春海くん、何で赤い顔しているの?熱があるの?」


園子さんが勘違いな心配をするから笑ってしまった。


「違います。大丈夫ですから…俺、あっちを片付けてきます」


数分前に帰っていった客のテーブルを片付けにそそくさと厨房から出て行く春海くんはかわいい。


「もうやばいわー。春海くんのあのかわいさはお持ち帰りしたくなる」


秋絵はやっぱり肉食女子かな。

春海くんの動きをまだうっとりと見つめる秋絵は、すっかり私の相談は忘れているようだ。とりあえず知りたいことは分かったから、いいかな。

あとは、ちゃんと一樹のことを考えるだけだ。


「あ、そうそう!」


我に返った秋絵がいきなり肩を叩く。


「秋絵、痛いよ…。突然なに?」


「高宮とキスやセックスが出来るかどうかもちゃんと考えたほうがいいわよ。セックスが出来る相手かどうかも重要なんだからね。もちろん、処女をあげられるかどうかもね」
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