不要なモノは愛
「小夏。せっかくだから、一緒に昼ご飯を食べない？」


「クスッ。どんなせっかくなのよ。でも、せっかくのお誘いに悪いけど、あたしは、これから…」


先輩たちと食べるつもりだったから、あとを追う予定だかと…。でも、それを伝えようとしたのに、遮られてしまった。


「うん、一緒に行こう。そこの裏通りに入ったところにあるから」


「え？裏？」


近くに勤めていながら、裏道に入ったことがなかった。どんな店があるのだろう？

先輩との約束を忘れ、そこに行ってみたいと思ってしまった。


一樹のように「食べない？」と聞くのではなく、「行こう」という強引さに私は…つい、ついてきてしまった。先輩たちには、行けなくなったことを連絡する。


「へー、こんなお店があったなんて」


「雰囲気も良いけど、味も良いよ。ほら、入ろう」


一樹も初めてここに来たらしく、店の中に入ると同じようにキョロキョロと、全体を見回した。
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表紙・目次

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