不要なモノは愛

どことなく懐かしい雰囲気のある店内…こういうのをノスタルジックというのかな。

心が落ち着く温かい雰囲気がある店で、カフェというより喫茶店という言葉が似合う。

一つ一つの丸いテーブルの真ん中の中央にはランプ風の照明が置かれていて、その照明のオレンジ色が、店の雰囲気をさらに温かく見せている効果があるのかもしれない。

丸いテーブルは年季が入っているらしく、色のかすれた部分から木の風合いが良い感じに出ている。

壁にある大きな並木の絵は、いつから飾られているのか…少し色褪せていたが、それがまたこの店にマッチしていた。

こういう雰囲気、好きだな。


「ほら、早く座って」


「小夏…座れよ」


いつまでも座らない私と一樹に松野さんは、痺れを切らす。一樹は急いで座ったのにまだ呆けていた私は、一樹にまで声をかけられてしまう。


「クスッ。いらっしゃいませ」


「あ、はい！」


「アハハ！」