不要なモノは愛
慌てて座った私は、店員の挨拶に思わず大きな声で返事をしてしまう。それを松野さんと店員が笑う。恥ずかしい。


「ご注文がお決まりになりましたら、お呼びくださいませ」


素敵な笑顔を見せるこの店員さんもノスタルジックな雰囲気を漂わせるかわいい女性だった。

レトロ風な花柄のふんわりしたワンピースに白いレースのエプロンを纏っていた。前髪を短く切り揃えている彼女に良く似合っていた。

接客は彼女一人のようで、他の店員の姿が見えない。こじんまりとしたお店だから、一人でも大丈夫なのかな?

奥の厨房から、聞こえる声では男性が二人いるようだ。三人でやっているのかな。


「小夏ちゃん、決まった?」


「あ、ちょっと待ってください」


テーブルに置いてあるメニュー表を見ると、メニューは少なく、全部5つしかない。ドリンクの種類は多いけど。

スパゲッティが、ミートソースとナポリタンの二種類。あと、ハヤシライスとオムライスとミートドリアだ。
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