不要なモノは愛
そんな優しい秋絵は大袈裟なくらいのリアクションでビックリしていた。

そんなにビックリすることではないと思うのに。

そんなにおかしなことを言ったつもりもないし、冗談でもない。

昨日、会社の旅行から帰ってきた秋絵が持ってきてくれた温泉まんじゅうを食べながら、頷いた。


「もちろん、本気よ。あたし、子供が欲しいの。だって、寂しいんだもの」


「寂しいんだったら、彼氏を作ればいいじゃないの?そうした上で、結婚して、子供を作って、家族を増やせばもっともっと楽しくなるわよ」


母子家庭で育った私とは違い、一般的な家庭で育った秋絵にとっては、両親が揃って、子供がいるというのが当たり前の形だと思うのだろう。

だけど、そういう家庭はいらない。私と母が生きてきた家庭で十分楽しかったし、幸せだったから、そういう家庭でいい。


「えー、彼氏なんて面倒じゃない?とりあえず、1度やって妊娠させてくれる男を探そうと思うのよ」


「1度やっただけで、運良く妊娠するとは限らないわよ。全く、そういうことには無知なんだから」
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