不要なモノは愛
一樹も秋絵も私の考えに共感してくれなかった。でも、この人、私の気持ちが分かった?

半信半疑な思いで松野さんを見た。

顔は良い。

一樹と同じ会社に勤めるのなら、多分頭も良い。

背も高い。

私の求める条件をクリアしている。性格は難ありだけど、性格までは受け継がないはずだ。性格は育て方次第で育成される。優しい子に育てたい。

まだ影も形もない子を想像する。早く私のお腹の中に来ないかな。こうのとりでも何でもいいから、運んでくれてもいいのに。


「認知はしてくれますか?」


「うん、もちろんするよ」


「子供が会いたいと言ったら、会ってくれますか?」


「うん、いつでも会うよ」


「誓約書を作ったら、サインをしてくれますか?」


「誓約書?へー、そんなの考えているんだ。うん、サインでも何でも小夏の望むことをするよ」


私の望みはただ子供を作ること。そのための精子をもらうことだけだ。一度だけのセックスで妊娠出来るのが一番望ましい。

あ、排卵期…次はいつだっけ?

スマホを取り出し、アプリを開く。
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