不要なモノは愛
それと、その前にもう1つ気になった言葉が…。


「好きじゃなくても結婚は出来る?だったら、わざわざ結婚しなくてもいいじゃないですか?何で、好きでもない女と結婚しようと思うのですか?」


松野さんは、持っていたフォークを皿の上に置いて、腕を組んだ。

威圧的な態度に、怯みそうになり、肩をビクッと震わせた。

真っ直ぐ見据える瞳も怖い。

何を言われるのだろう。


「俺は、今まで結婚したいと思う人がいなかった。だけど、小夏とは結婚したい。興味があるからだ。好きなのかどうかと聞かれたら、多分…好きだろうな」


多分、好き?

どういうこと?

私は愛とか恋とかいうモノも求めていない。好きとかいう感覚さえも分からない。


「小夏は高宮にもプロポーズされているよな?でも、高宮よりも俺を選んで欲しい。損はさせない」


損…結婚って、損得で決めるものなのだろうか。

好きとか嫌いとかいう気持ちの問題ではなくて、得だとか損だとかいう考えで決めればいいの?
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