不要なモノは愛
一樹との子供?

松野さんとの子供?

誰の子供が欲しい?

はっきり分かるのは私の子供ということだけど、一人で妊娠は出来ない。


「分からない…」


「うん。そんな顔してた。だからさ、焦らなくてもいいと思うよ。まだ焦って、結婚する年齢でも、妊娠する年齢でもないでしょ?」


「でも…」


「でも、なに?」


でも、でも……早くに血の繋がりがある家族が欲しい。そのために子供が欲しいから、早くに妊娠したい。

結局、私の本当の願いを誰も分かってくれない。絶対に欲しいモノなのに。

寂しいのは、もう嫌だ…。


「思い詰めなくていいよ。あれこれ言ったけど、どうしても結婚をしたくないなら、しなくてもいい。俺が小夏の願いを全部叶えてやる」


「え?」


「でも、結婚という選択をしてもいいと思うよ。一緒に子供の笑顔を見て、一緒に感動するのも悪くないはず。あー、ごめん…また考えさせちゃうね。とりあえず、今夜は深く考えないで、寝なよ」
< 54 / 158 >

この作品をシェア

pagetop